私は親に対し恨みに思っていることがある。
(いっぱいある)
子どもの頃は、親と上手くやっていた。
反抗期もなく、親を尊敬していた。
父親には「甘え上手だ」と言われていた。
初めて一人暮らしを始めた20代初めには、母を恋しく思い、
「神様は、ひとりひとりの人間の傍で世話をしてやることができないから、母親という存在を作ったのだ」
という言葉を聞いて涙していたのに。
いったいどうしてこんなことになったのか。
今心に引っかかっている恨みはこんなことだ。
小学生の頃、私には好きなクラスメートがいた。
かっこよくて、スポーツ万能の男の子。
母親は、「誰にも言わないから」と優しく笑ってその子の名前を聞き出そうとした。
私ははじめ、恥ずかしかったが、楽しい雰囲気で、もしかして、その子の素敵なところの話とか、お母さんが聞いてくれるかも?
と思って、その子の名前を言ってしまった。
そうしたら。
一変して、
「ええー!○○君(笑)!ねえみんな聞いて、○○は○○君が好きなんだってー!」
と笑われ、家族中に言いふらされたのだ。
あれはショックだった。
ところで、今、私には保育園の娘がいるが、その子にも好きな子ができたらしい。
私にこっそり教えてくれた。
私は微笑ましくて「そうなんだ」と話を聞いた。
もちろん秘密にすると、心に誓い、娘にも誓った。
それから数日後。
保育園に迎えに行くと、A君(娘が好きな子)が私に近づいてきた。
「娘ちゃんは僕とけっこんしたいんだって!」
・・・
本人に言っているのかい!
と私は心の中で突っ込んだ。
なんて幼いんだろう。なんて微笑ましいんだろう。
2人とも、まだ何もわかっていない。