コロナの真っ最中だけど、観劇に行った。

コロナの真っ最中だけど、観劇に行った。

子ども向け人形劇(着ぐるみ劇)に、子ども(5歳)を連れて。

 

年末だから劇の一つも見たい、というのがひとつ。

子どもと2人きりで時間を持て余していたというのがひとつ。

 

密になったら嫌だなあ、と思っていたが、その心配はなかった。

千人以上収容できる広い貸しホールに、多く見積もって40人くらいの観客。

間をたっぷり空けて、ポツンポツンと座っていた。

子どもは12人くらい。

 

あまりの少なさに驚いた。

これだけの観客では、劇場の使用料さえ払いきれないのではないか。

 

子ども人形劇は初めてで、いつもどんな感じなのかは知らないが、コロナでなければもっと多くの観客が入って賑やかだったろう。

 

劇団にとって、厳しい状況だろうと推察した。

 

そんな大変ななか、見事な劇を演じてくれた劇団員の皆さん。

私は子ども向けの雰囲気を懐かしみながら楽しんだが、うちの子ときたら、ソワソワ、モゾモゾ。立ち上がったり、私に話しかけたり。

子ども向けの公演で、さらに隣の観客は遥か彼方という状況だからまだいいようなものの、私はハラハラさせられた。

まだ幼いから大人しく見られない、というより、この子は劇が特に好きではないのではないか、と思った。

 

ようやく公演が終わり、ホールから出ると、そこには出口を案内したり、消毒を促したりする劇団の皆さんがいらっしゃった。

 

そこでうちの子が言ったことには、

「あー楽しかった!」

 

劇団員の皆さんの喜んだことと言ったら!

「楽しかった?そっかあ、良かった!」

ともう、ニコニコなのです。

 

私は、もう、唖然として、居た堪れない気持ちがした。

(いやいや、退屈してたじゃん!)

 

多分、うちの子は雰囲気でそう言ったのだ。

一つの興行が終わった、という雰囲気。

客席に座っていなければいけない時間が終わった、という解放感。

何となく勢いで。

 

もちろん、喜んでいる皆さんの気持ちに水を差すことはせず、そのままその場を去った。

 

誰も悪くないのはわかるが、騙したような気持ちになった。